コロナ禍や海外渡航の混乱が経済社会のあらゆる面に影響を及ぼす中、日本の国内市場にも様々な変化が見られるようになった。日本の実質GDP成長率は2020年度第2四半期にマイナス7.9%となり、内閣府が発表したデータでは、昨年の日本経済は3.0%縮小していることが明らかになった。 国内の家計消費が低迷する中、多くの日本企業の経営に影響が出ており、内閣府が実施した「景気ウォッチャー調査」によると、国内のみで事業を行う中小企業の業況は2004年以降で最低となった。これを受けて、多くの日本企業は、事業の多角化や顧客層の拡大による新たな収益の可能性を求めて、海外進出を検討することが考えられる。また、ジェトロ(日本貿易振興機構)が2021年に日本企業9000社を対象に行った調査では、将来のパンデミックによる経済的リスクを軽減するために、事業戦略の見直しの一環として海外事業の推進を検討したいと考える企業が最大で7割に達している。
このような状況の中、国内市場ではなくグローバルマーケットへの販路拡大を目指し、自社の製品・サービスの海外展開は、今後多くの日本企業にとって、大きなメリットとなるはずである。
海外展開戦略の「5W1H」
日本企業が海外進出をするメリットについて、誰に何をどのようになど5W1Hについて分かりやすく解説する。
WHEN
既存の通り日本の市場は縮小している。その要因として少子高齢化による生産年齢人口の低下、最低賃金の上昇率の低下からくる消費購買力の低下などがある。こうした経済・社会的な問題は、コロナ禍の影響を受けて、より鮮明になってきた。状況は回復傾向にあるが、それでも、海外とは対照的であることを認識することが重要。
国内に対して、世界市場は拡大している。その要因として、全てが日本とは逆で、人口増にともなう生産年齢人口の増加、最低賃金の上昇率の高さからくる消費購買力の増加などがある。したがって、世界経済の回復に伴い、競争に打ち勝ち、国際的なブランド露出を獲得するために、できるだけ早くグローバル展開の計画を開始することが重要。
先行きが不透明な中、将来のパンデミックリスクを上手く乗り切るために、多様化を進めることが重要。もうすぐコロナ前の環境に戻ると考えがちだが、次の危機や感染症がいつ来るかは誰にも予測できない。ビジネスリスクを軽減するために、中小企業はできるだけ早くグローバル展開を目指すべきである。
WHERE
当社は、日本と東南アジア市場、特にシンガポールとタイとの架け橋となることを専門としている。日本企業がグローバル展開戦略を進める上で、これらの国のどちらか、あるいは両方が理想的である理由はたくさんある。
シンガポールでは、「優れた接続性と戦略的立地」, 「スタートアップの育成とビジネスに適したエコシステム」, 「魅力的な税制の枠組みと広範な貿易協定」, 「生活の高安全性」、「強力な法制度の恩恵」, 「高い技能を持つ地元の人材プールにアクセス可能」等のようなメリットがある。一方、タイでは、「事業設立の容易さ」「ビジネスに適した政府政策」、「6,900万人以上の国内市場」、「多様な製造業」、「人件費と輸入税の低減」等のメリットを備えている。
WHO
東南アジアを中心に、JAPANブランドの製品やサービスに対する関心が高まっており、「メイド・イン・ジャパン」に対するニーズは非常に高い。しかし、大企業の製品やサービスばかりが提供されていることが問題であり、消費者はより多くの選択肢を求めている。
この状況は、コロナ禍によって加速され、現在、コロナ禍で日本に行くことができない人々は、代わりに日本関連商品の購入を増やしている。実は、ASEANの最近の調査によると、コロナ禍の渡航禁止が始まって以来、日本を最もよく行く旅行先として挙げた東南アジアの消費者は、自国での日本商品・特産品の購入額が平均で4倍になった。したがって、多くの日本の中小企業はこの機会を活かし、海外にビジネスを拡大する必要がある。
WHAT
東南アジアでは、”Made in Japan “のブランディングは非常に好評です。日本の中小企業のサービスや製品で、「JAPANブランド」は成功する可能性が高いでしょう。現地のニーズに合わせた市場調査を行い、どのような製品・サービスが人気となるかを見極めた上で、需要のあるサービスや製品を提供できる企業が拡大戦略上、最適なポジションとなる。
WHY
企業がグローバル展開を選択する理由は、大きく分けて2つある:①自社の製品・サービスの販路開拓・拡大のための市場を獲るために進出する ②自社の製品・サービスの生産拠点を海外に移転するために進出する。
どちらも説得力のある理由であるが、最適なターゲット市場を特定するための適切な市場調査や、現地の文化や社会に精通することが、グローバル展開戦略の成功に非常に重要である。
経営者が注目するのは、市場規模、製品やサービスの適合性、参入障壁等であることは明らかである。しかし、これらの評価以上に重要なのは、「勝利する権利」である。ターゲットとなる顧客層は、なぜ御社から買うのか?御社の製品のユニークさは何か?この市場で顧客にどのような価値をもたらすのか、それはターゲットとする顧客層のニーズや購買行動と合致しているのか?これらの質問から、自社がグローバルに展開する “Why “を考えることが重要。
HOW
海外進出成功の鍵は、「進出目的の明確さ」、「信頼できる現地パートナーの見極め」、「事前調査の入念な実施」にある。
新規海外市場において、全体的な潜在機会を検討する必要があることは誰もが知っている。ターゲットとなる購買層は誰か、何人の見込み客と接触する必要があるか、彼らは何に興味があるか、彼らにアプローチする最善の方法は何か、そのために必要なカスタムメッセージは何か、などを考えてみることが必要。
最終的には、専門家に相談しながら市場調査を行い、正しいターゲット市場を見極め、しっかりとした展開とマーケティング戦略を立案し、効果的に新市場へ参入することが不可欠である。マーケティング戦略の一環として、デジタル時代にはウェブプロモーションや広告がますます重要になり、質の高い動画を作成するだけでなく、JAPANブランド製品の魅力を海外に伝えることができるメディアパートナーと協力することがより重要である。
まとめ: 日本企業が海外進出をする大きな6つの理由
「日本企業が海外進出をする大きな6つの理由」ということがまとめになる。
- 新たな収益の可能性
ビジネスモデルを海外の新しい地域に広げることで、全く新しいオーディエンス、つまり何百万人もの潜在的な新規顧客を獲得し、より多くの売上を得ることができる。
- 投資機会の広がり
海外に進出することで、国際的な投資を呼び込むことができ、日本にはないような機会から利益を得ることができる。例えば、多くの政府は、自国でのビジネスを行う海外企業に対してインセンティブを提供している。
- 市場の多様化
新規市場に参入することで、収益源のセーフティネットを構築することができる。例えば、国内市場の売上が減少している場合、他地域の売上から得られる利益を充当することができる。
- 国際人材プールへのアクセス
国際的な人材プールは、新規市場のニーズに合わせてビジネスをローカライズすることができる。多言語を話し、多様な職業的背景を持つ現地従業員を雇用することで、新規顧客層に対応できる現地での専門知識と経験を持つことが可能。
- 競合他社に勝利する
海外の顧客ベースに対応できれば、競合他社が営業していない場所で飽和した市場を残すことができ、競争上の優位性を得ることができる。
- グローバルなブランド展開
国際的なビジネスの確立の成功は、新規顧客を引き付けるだけでなく、会社の評判を高め、より大きな信用を得ることができる。
日本企業の多くは、より多くの収益を得るために国際的な事業展開を行うことになるが、ビジネスモデルを変えてグローバル化することは多様な利点がある。特に、コロナ禍は、新しいデジタル時代の幕開けとなり、海外の潜在顧客とつながることがより容易になった。当社は、最高品質の調査とブランド戦略のノウハウ、トップレベルのグローバルネットワーク、そして優れたメディアプロデュースとマーケティング力を駆使し、日本の中小企業と「JAPANブランド」を支援し、日本と海外の架け橋となることを使命としている。
日本企業のグローバルマーケットへの販路拡大のメリットは計り知れません。「JAPANブランド支援パートナー」としてSeiRogaiは豊富な知識と経験により貴社の海外進出をサポートします。
日本企業の支援パートナーとしてSeiRogaiを選んで頂き、共に協力していければ幸いです。
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