訪日観光市場が急速に拡大し、「体験価値」が消費行動に大きな影響を与える時代において、観光・地域産業・ブランドマーケティングの領域では、ある重要なテーマが注目されています。
「没入型デジタル体験は、本当に実際の購買や来店行動につながるのか。」
この問いに対し、SeiRogaiが、伝統工芸メーカーである株式会社片岡屏風店と連携して実施した実証プロジェクトは、非常に示唆的な成果を生み出しました。
本プロジェクト「伝統と革新をつなぐ 屏風工房VRツアー × EC連携モデル」は、SeiRogaiが展開する観光DXプラットフォーム Global Virtual Travel(GVT)を活用し、VR360によるストーリー型コンテンツが、単なる“観光PR”に留まらず、実際の顧客行動や売上創出へどこまで接続できるかを検証したものです。
「閲覧数」ではなく、“行動変容”を検証する実証へ
従来の観光プロモーションでは、「再生回数」「PV」「SNSインプレッション」など、認知指標が中心でした。
しかし近年、VCや事業会社、自治体、機関投資家が求めているのは、「実際に人が動いたのか」「購買や来店につながったのか」という、より本質的な成果です。
今回の実証では、片岡屏風店の工房、制作工程、ショールーム、職人インタビューを多言語対応VR360コンテンツとして制作しました。
単なる映像体験ではなく、
- 商品理解
- ブランド理解
- 問い合わせ
- 来店
- 購買
へ自然につながる導線設計を行いました。
その結果、公開から約1ヶ月半で、VRツアーは10,000PVを突破。当初KPIであった3,000PVを大幅に上回る成果となりました。
特に注目すべきは、“視聴の質”です。
英語版ページでは平均エンゲージメント時間が5分超となり、一般的な観光コンテンツとしては極めて高い没入度を記録しました。これは、単なる情報閲覧ではなく、「ブランド体験」としてユーザーに深く認識されていることを示しています。
さらに、視聴後アンケートでは、96.7%のユーザーが「商品の魅力が伝わった」と回答しました。
高価格帯かつ文化的背景理解が重要となる伝統工芸領域において、VR360によるストーリーテリングが、価値理解と購買意欲形成に有効であることが定量的に示されました。
実際の“行動”と“売上”につながり始めている
今回の実証は、まだプロトタイプ段階であり、越境ECとの完全連携には至っていません。
それでも既に、ユーザー行動変容を示す重要な成果が確認されました。
まず、VR体験後に、片岡屏風店の公式サイトへ遷移するユーザーが発生しました。
これは、ユーザーが単に“視聴”するだけではなく、ブランドへの興味関心を深め、次の行動へ移行していることを意味します。
さらに重要なのが、「旅ナカ」導線における成果です。
実証では、墨田区内のインバウンド向けホステルと連携し、片岡屏風店の展示コーナー、VR体験QRコード、店舗導線を設置しました。
11日間の検証期間で、4名の訪日外国人観光客が実際に片岡屏風店へ来店し、そのうち1名が商品購入に至りました。
この成果の本質は、「販売件数」そのものではありません。
重要なのは、“没入型デジタル体験”と“リアル空間導線”を組み合わせることで、実際に人流変化と購買行動を起こせる可能性が示されたことです。
これは、SeiRogaiが目指す「Immersive Commerce(没入型体験型コマース)」モデルの初期検証として、非常に大きな意味を持っています。
SeiRogaiが構築する「Immersive Commerce Infrastructure」
今回の成果は、単なる伝統工芸PRの成功事例ではありません。
SeiRogaiが構築しているのは、“VR観光コンテンツ制作会社”ではなく、「没入型体験を、実際の経済行動へ転換するインフラ」です。
Global Virtual Travelの特徴は、一般的なVR観光サービスとは異なり、
- VR360による高没入体験
- ドキュメンタリー型ストーリーテリング
- 多言語展開
- EC・問い合わせ・予約導線
- データ分析
- インバウンド導線設計
- 地域回遊設計
- リアル店舗連携
を統合している点にあります。
つまり、“見るだけのVR”ではなく、
「ブランド体験 → 興味形成 → 行動 → 来店 → 購買」
までを一気通貫で設計できる点が、最大の差別化要因です。
投資家視点での成長可能性
本実証が投資家にとって重要なのは、このモデルが伝統工芸に限定されないことです。
同様の仕組みは、
- 観光DX
- 地域創生
- 越境EC
- 高付加価値ブランド
- ラグジュアリー体験
- 地域商業施設
- インバウンド周遊
- メタバース連携
- 文化IP
など、多様な領域へ横展開可能です。
2025年の訪日外国人旅行消費額は約9.5兆円規模に達し、今後も“体験価値型消費”は世界的に拡大が予想されています。
一方で、日本の地域事業者や伝統産業の多くは、
- 情報発信力
- 海外認知
- ブランドストーリー伝達
- 多言語導線
- デジタル販路
に課題を抱えています。
SeiRogaiは、この構造的課題に対し、「没入型ストーリーテリング × DX × 行動導線設計」によって、新たな市場インフラを構築しようとしています。
“観光”から、“経済行動”を生み出す時代へ
今回のプロジェクトで最も重要なのは、EC連携の重要性、予約導線最適化、旅マエ・旅ナカ導線設計、リアル拠点連携など、次のスケールフェーズに必要な知見が明確化された点にあります。
その上で既に、
- 高い没入率
- 商品理解
- 国際リーチ
- 実際の店舗訪問
- 商品購入
という、“経済行動につながる初期シグナル”が確認されました。
これは、VR・観光DX・体験型コマース市場において、非常に大きな意味を持つ成果です。
SeiRogaiは今後、メタバース展開や地域周遊モデル、越境EC連携、インバウンド回遊施策などを強化しながら、「没入型体験を経済活動へ変換するインフラ」の構築をさらに加速していきます。
観光、EC、メディア、地域経済の境界線が消えつつある今。
SeiRogaiとGlobal Virtual Travelは、“見る観光”を、“動く経済”へ変える新しい市場モデルの可能性を示し始めています。
「Global Virtual Travel」について:特許出願中のVR技術を用いたDXサービス

SeiRogaiのバーチャルツアープラットフォーム「Global Virtual Travel」は、海外のお客様に日本の隠れた魅力を知っていただく最適な機会を提供しています。
Global Virtual Travelは、ストーリー性と教育性に重点をおいたツアーを楽しむことができる、最高のプラットフォームです。
平面の動画ツアーでは体験できない臨場感のあるバーチャルツアーで、海外の人々にも日本の魅力をもっと知ってもらうことができます。
ぜひ、Global Virtual Travelをご利用ください!
株式会社SeiRogaiについて

SeiRogaiは、メディア・プロダクション、広告、ブランディング、メディアテクノロジー、ビジネスコンサルティングを専門とする東京のスタートアップである。多様なメディア制作サービスをワンストップで提供することで有名な同社は、あらゆる規模の企業に戦略的コンサルティングサービスも提供している。各業界の経験豊富なエキスパートで構成されるSeiRogaiのチームは、クライアント独自のニーズに対して包括的な視点を提供している。
また、東京都が厳選したネクストユニコーンとして有望視されるスタートアップ15社に選ばれた。((アジア最大級のオープンイノベーションイベント)「Innovation Leaders Summit 2023 <東京都厳選>ネクストユニコーンスタートアップピッチに登壇」)
SeiRogaiTVやGlobal Virtual Travelなどの革新的なプロジェクトを通じて、没入型体験の展望を再定義するメディアテクノロジーソリューションをリードし続けている。
【会社概要】
社名:株式会社 SeiRogai
本社所在地:〒106-0032 東京都港区六本木 6-1-20 六本木電気ビル5階
代表取締役:ユエン・サムミヨル、リン・レイチェル
設立: 2019 年
主な事業内容:
1. 映像制作・動画制作サービス (VR360 度ツアーを含む)
2. テレビ番組や映画のインターネット配信サービス
3. マーケティング 、ブランディング、広告宣伝、イメージプランニング
4. 専門サービスやビジネス・コンサルティング(市場調査、海外展開支援、創業支援)
5. VR 配信システム及び DX デジタルプラットフォームの開発・構築・提供
6. 地域観光・企業の海外向け情報発信サービス 他

